<ドストエフスキー作品の登場人物一覧表> 虐げられた人びと・賭博者・貧しき人々

   <ドストエフスキー作品の登場人物一覧表>

 



『虐げられた人びと』 1861年 40歳

◆登場人物

・語り手「私」 ワーニャ(イワン・ペトロ-ヴィチ)25歳位、新進作家。孤児だったのでイフメーネフに育てられる。(ドストエフスキーがモデルらしい)

・ ニコライ・セルゲーイッチ・イフメーネフ(小地主。ワーニャの育て親。ワルコフスキーと親密な間柄だったが、現在は対立関係になって憎んでいる)

・ アンナ・アンドレーエヴナ(イフメーネフの妻)

・ナターリア・ニコラーエヴナ(ナターシャ)22歳? イフメーネフ夫妻の娘。ワーニャと幼馴染で昔は互いに好きだったが、アリョーシャと出会い恋人となって家出する。)

・ピョートル・アレクサンドロヴィチ・ワルコフスキー公爵(45歳前後。かなりの知恵者らしい)

・アレクセイ・ペトローヴィチ(アリョーシャ)22歳。ワルコフスキーの息子。ナターシャと駆け落ちする。7~19歳までナインスキー伯爵が養育する。

・伯爵夫人(ジナイーダ・フョードロヴナ) お金目当てにワルコフスキーが結婚しようとしている女性。
・カチェリーナ(17歳? 伯爵夫人の継娘。ワルコフスキーが持参金目当てで息子と結婚させようと企む)
・エレミア・スミス老人 駆け落ちした娘を許せず、悲惨な生活の中に死亡する。
・ネリー(=エレーナ、レーノチカ)13歳くらい。スミス老人の孫。出生の秘密がある。
・ネリーの母  男と駆け落ちしお金も騙し取られる。ネリーを生んでからは薄幸の内に亡くなる。
・マスロボーエフ(ワーニャの中学時代の友人。現世的な性格で探偵のような仕事をしている)
・アレクサンドラ・セミョーノヴナ(その妻)人を招待したり世話を焼くのがとても好き。
・アンナ・トリフォーノヴナ(マダム ブブノワ) 孤児のネリーを引き取り虐待する。怪しげな仕事をしている。




 『 賭博者 』  1866年 45歳  (原卓也 訳) 

<あらすじ・作品紹介>
ドイツの保養地ルーレテンブルグに滞在している将軍一家と、その家庭教師の青年、将軍をとり巻く人々との交流を中心にして、主人公がルーレットに熱中していくさまが描かれている中篇小説。

主人公は作家自身をモデルにしていると言われており、一時期ルーレット賭博にはまった体験と心理を克明に描いている。またポリーナは当時ドストエフスキーの愛人だったアポリナーリヤ・スースロワを、デ・グリューは彼女の恋人だったスペイン人をモデルにしたらしい。(作品は後に2番目の妻になったアンナ・グリゴーエヴナが口述筆記をし、26日間で書き上げられた。)

●登場人物

・ アレクセイ・イワーノヴィチ : この本の語り手.25歳.将軍家の家庭教師.ポリーナに恋をしている

・ 将軍  : 55歳のロシア人のやもめ.デ・グリューに多額の借金をしており、伯母(車椅子のおばあさん)の遺産をあてにしている.ブランシュに惚れて結婚を申し込む

・ ポリーナ・アレクサンドロヴナ・プラスコーヴィヤ : 将軍の義理の娘.デ・グリューに憧れており、アレクセイには複雑な感情を持つ
・ ミーシャとナージャ : 将軍の子ども
・ マドモワゼル・ブランシュ(ド・コマンジュ): フランス人で25歳.美貌のため男達に言い寄られる.財産と高い身分を欲しがっている
・ ブランシュの母親
・ ミスター・アストリー : イギリス人実業家.純情な性質.ポリーナに恋をしている
・ デ・グリュー : フランス人侯爵.将軍にお金を貸している.
・ おばあさん :(アントニーダ・ワシーリエヴナ・タラセーヴィチェワ) 75歳.将軍の伯母.死にかけていると皆に思われていたが、車椅子で町にやって来る

・ マルファ   :  おばあさんの召使
・ ポタープイチ :  おばあさんの執事
・ マリヤ・フィリーポヴナ : 将軍一家と行動を共にしている女性?(職業や他の人との関係など不明)





『 貧しき人びと 』   1844年  23歳 (木村浩 訳)

ドストエフスキーが工兵局を退職した後に執筆した処女作で、当時の批評家ベリンスキーに絶賛された。約半年にわたる往復書簡の形で書かれた短編小説。

<あらすじ>
しがない小役人マカール・ジェーヴシキンと、薄幸の若い女性ワルワーラは、ペテルブルグの安アパートに向かい合わせてひっそりと住んでいる。二人は互いに贈り物をしたり手紙をやりとりして、とりとめのない会話を交わしている。病弱なワーレンカが自分の行く末を思っていた所、ある男からの求婚が舞い込んできて・・・・・・。

●登場人物

 マカール・アレクセーエヴィチ・ジェーヴシキン  小心で善良な九等官の役人.ワルワーラの遠い親戚 

 ワルワーラ・ドブロショーロワ 〔ワーレンカ〕  身よりがなく、仕立て物で暮らす若い女

・ アンナ・フョードロヴナ :アパート経営者? ワルワーラの父が借金していた.父の死後ワルワーラ母娘を引き取る

・ ポクロフスキー(ペーチェンカ) : 貧しく読書好きな青年で、アンナの家の居候.少女時代のワルワーラとサーシャに勉強を教える.

・ ポクロフスキー老人 : ポクロフスキーの父親(とされているけど不明)で息子を深く愛する.二番目の妻から虐待され身を持ち崩している

・ ブイコフ : 地主でポクロフスキー老人の知人.ポクロフスキーが少年の時に保護者になる.アンナと親しい.ワルワーラに求婚する

・ ラタジャーエフ : 三文小説家.ジェーヴシキンの知人で同じアパートに住む
・ フェドーラ   : ワーレンカの小間使い
・ テレーザ   : ジェーヴシキンの小間使い
・ ファリドーニ :    〃      召使
・ サーシャ   : ワルワーラの従姉妹でみなしご
・ ワルワーラの父 : ワルワーラ14歳の時に死亡
・ ワルワーラの母 : 夫死亡後、しばらくして病死
・ ゴルシコーフ   : ジェーヴシキンと同じアパートに住む、貧しい世帯持ち
・ チモフェイ・イワーノヴィチ : ジェーヴシキンの上司
・ エメリヤン・イワーノヴィチ :    〃      同僚
・ エフスターフィ・イワーノヴィチ :  〃      上司
・ その他の人びと 

『白痴』・『悪霊』 『未成年』・『罪と罰』
『永遠の夫』・『死の家の記録』 『カラマーゾフの兄弟』・『二重人格』
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